国持、城持ち [世捨て人]
江戸時代の大名の格付けは石高によって国持(国主、準国主)、城持ち(城主、城主格)、城無に分けられていた。幕府の大名統制の一環で決められたこの格付けは江戸城の使用できる待ち部屋や官位などでも歴然とした差があった。国主にはみな松平の姓が与えられていた(宗氏、藤堂氏を除いて)。優遇されているように見えるがいろいろと手伝い普請やらなにやらで幕府に金を使わさせられた。また、官位が欲しいために幕閣に献金した大名もいるようだ。城持ちクラスになると数が多いのでなんとかランクアップしようと無理な検地をしたり献金したり、大大名や幕閣と養子縁組したりしたらしい。それがもとでとりつぶさられたものもいるくらいだ。城無に至ってはまともな統治もできず財政は慢性破綻状態。自分で領地を返納したいと申し出る始末、サラリーマンの役職より悲惨、しかも出世することはほとんどない。譜代大名ならわずかに老中や寺社奉行などの役職に付けば加増されることはあったが。殿さまも何かと苦しい江戸の世であったと思います。