もう秋だね [心象のスケッチ]
朝早く家の周りを散歩していると蝉の声が弱まって秋の虫の音が聞こえてくる。まだまだ露を置いた朝顔は自分の時代を謳歌しているが、やがて目立たぬ種になる。命なんて盛りは僅かな時間、どんなに抗おうとも変わらない。それでも、この短い秋のうちに次への命をつなぐ。儚いが強くたくましい命たちがいる。そんな場所をもう木枯らしを見に受けてうつむきながら歩く俺がいる。立ち止まっても誰一人声をかけてくれる人なし、もとより俺を知る人がいない、俺だけの黄昏。
麦わら帽子 [心象のスケッチ]
麦わら帽子は脇役だけど夏の匂いに晒されて
僕らの思い出の中に映り込む
古くは西条八十の碓氷越えの詩で
吉田拓郎の夏休みでは消えた少年時代の夏
ワンピースではルフィのトレードマーク
あいみょんのマリーゴールドでは
ちょっと夏をまとった女の子
私にとっては川に魚取りに行く時の大事な仲間
9月の海辺の風に転がる麦わら帽子
秋は確かにここにいるけどさようならは言わない
僕らの思い出の中に映り込む
古くは西条八十の碓氷越えの詩で
吉田拓郎の夏休みでは消えた少年時代の夏
ワンピースではルフィのトレードマーク
あいみょんのマリーゴールドでは
ちょっと夏をまとった女の子
私にとっては川に魚取りに行く時の大事な仲間
9月の海辺の風に転がる麦わら帽子
秋は確かにここにいるけどさようならは言わない
定年ですか [心象のスケッチ]
よくここまで続きました、根気がないADHDの症状をごまかし、双極性障害II型も出てきてこれ以上は仕事なんて無理だと思いながらそれも通院でごまかそうとしたが、結局は一年半休職、でもどうしても復帰したいとリワーク通いののち復職。それから8年ここまで来ました、足の障害も持ったまま、以外と粘り強いのかなぁ。出世とかずっと捨てて、誰かの代わりに何かするそれがずっと続けてきたこと。自分が得する必要はない、それでいい。しかし、年金もまだ出ないので再就職が厳しい、障害者枠と経理財務で探しているが、世の中厳しいね。
迷い子のように [心象のスケッチ]
時を自分の好きなように浪費して
今頃になってこれからどうしようかと考えている
真新しい都会の端っこにちょこんと座り
若者を見ながら微笑む仏様になれるはずもない
身体中に撒き散らされた悪意の細胞が
この身を食い散らかすまでそうは時間がない
その前に先に行っている両親へ読経と線香そして合掌
私はあなた方のように正しく生きてきただろうか
自らを恥じる事なく優しさだけに心砕いて
今頃になってこれからどうしようかと考えている
真新しい都会の端っこにちょこんと座り
若者を見ながら微笑む仏様になれるはずもない
身体中に撒き散らされた悪意の細胞が
この身を食い散らかすまでそうは時間がない
その前に先に行っている両親へ読経と線香そして合掌
私はあなた方のように正しく生きてきただろうか
自らを恥じる事なく優しさだけに心砕いて
少年が [心象のスケッチ]
朝はまだみんなが眠っている頃
ジーンズと白いシャツに白い帽子
始発電車を待ちながら
少年はまだ見たこともない街へ
初めて会う人のいる街を
言葉だけの面影を心に抱いて飛び乗った
少しの不安と大きな憧れが
手招きしている夏休み
愛とか恋とかそういうものではなく
ただ初めての出会いと初めての街へ
朝日が少年の横顔紅く染めて
夏がくれたものこれからも大事抱えて
ジーンズと白いシャツに白い帽子
始発電車を待ちながら
少年はまだ見たこともない街へ
初めて会う人のいる街を
言葉だけの面影を心に抱いて飛び乗った
少しの不安と大きな憧れが
手招きしている夏休み
愛とか恋とかそういうものではなく
ただ初めての出会いと初めての街へ
朝日が少年の横顔紅く染めて
夏がくれたものこれからも大事抱えて
今日現象 [心象のスケッチ]
普通では見えないような縦にかかる虹がある。滝の流れを見ているとできるあれではない。僕にははっきりと丘の上からはるか遠く黒い雲の下に降り注ぐ雨にかかる虹を見た。じっと見つめながら手に知った水筒の水をぐっと飲んだ。足元には小さな栗の毬が転がり、風が湿気を連れてきた。雨の帯は少しずつ弱まりながらこっちへやってきた。地面に座って雨を待った、だけど雲は薄くなりやっとこさ丘に届いたがもう雨を降らすことなく、散り散りに消えていった。儚いな、そう呟いて腰をあげ塵を叩いて丘をおりた。
愚かだね僕は [心象のスケッチ]
子供のころから夢見がち
いつかこの世から憎しみや悲しみを
一掃しようなんて考えていた
超人になって悪いやつらをぶっ飛ばして
心優しき独裁者になるなんて考えた
この世界を光で満たして
誰も悪意も妬みも恨みも持てない
そんな世界にしてやると思ってた
やがて夢は夢のまま
枝に残った木の実のように
干からびて枝から落ちた
愚かだね僕は
本当に愚かでね
救いようがないのは
干からびて落ちた夢を
まだポケットにしまい込んでいること
でも生きてきたコンパスの代わりが
干からびた木の実だったし
これからもずっと持っているだろう
いつかこの世から憎しみや悲しみを
一掃しようなんて考えていた
超人になって悪いやつらをぶっ飛ばして
心優しき独裁者になるなんて考えた
この世界を光で満たして
誰も悪意も妬みも恨みも持てない
そんな世界にしてやると思ってた
やがて夢は夢のまま
枝に残った木の実のように
干からびて枝から落ちた
愚かだね僕は
本当に愚かでね
救いようがないのは
干からびて落ちた夢を
まだポケットにしまい込んでいること
でも生きてきたコンパスの代わりが
干からびた木の実だったし
これからもずっと持っているだろう
7月4日に生まれて、こうして生きてきた [心象のスケッチ]
今日は本当に私の誕生日
とうとう暦の一回り
人生50年なら長生きなのだろうが
今の時期は目ずらしくもない
そして月末には定年になる
一応生きてゆくために再雇用になった
年金など5年も先であてにはできない
個人年金を積み立ててきたが
毎年100万円で10年にしかならない
退職金の半分は住宅ローンの一括返済で跳んで行った
何を考えて何をして生きてきたんだろうと妻に叱られる
だが起きている時間をほとんど何かを考えている
寝ている間も何かを考えている
その際目が見えないほど何かを考えている
それはほかの人にとっては全く無意味なことだろう
だけど私が生きていくうえでのすべての根拠は
そこで作られていることを誰も知らない
私は心で生きている
誰にも見せない誰にも言わない
とうとう暦の一回り
人生50年なら長生きなのだろうが
今の時期は目ずらしくもない
そして月末には定年になる
一応生きてゆくために再雇用になった
年金など5年も先であてにはできない
個人年金を積み立ててきたが
毎年100万円で10年にしかならない
退職金の半分は住宅ローンの一括返済で跳んで行った
何を考えて何をして生きてきたんだろうと妻に叱られる
だが起きている時間をほとんど何かを考えている
寝ている間も何かを考えている
その際目が見えないほど何かを考えている
それはほかの人にとっては全く無意味なことだろう
だけど私が生きていくうえでのすべての根拠は
そこで作られていることを誰も知らない
私は心で生きている
誰にも見せない誰にも言わない
雨上がりの朝は [心象のスケッチ]
雨上がりのよく晴れた朝は
何もかもが生まれ変わったように新鮮で
空気まで取り換えたように透明だ
足元の水たまりに映った空は
お日様がキラキラ雲はゆらゆら
一列に並んで歩く黄色い長靴が
さざめきながらながら通り過ぎていく
そういえば窓を開けた時に聞こえたのは
たしか郭公の声だった
小綬鶏の声もあったようだ
生まれ変わった一日が
こんな素敵になるならば何度でもいいと思います
何もかもが生まれ変わったように新鮮で
空気まで取り換えたように透明だ
足元の水たまりに映った空は
お日様がキラキラ雲はゆらゆら
一列に並んで歩く黄色い長靴が
さざめきながらながら通り過ぎていく
そういえば窓を開けた時に聞こえたのは
たしか郭公の声だった
小綬鶏の声もあったようだ
生まれ変わった一日が
こんな素敵になるならば何度でもいいと思います
人生の分かれ道は多い [心象のスケッチ]
人間にとってその生き方は百通りだってある、だけど今の位置にいるのは多くの選択をして到達した場所。よほど他人に依存していた人をのぞけば自分の選択の結果だ。選択の機会は小さいものはたくさんあるが、進学や就職は最たるものだろう。それ以外にも結婚や転職なども大きなことだろう。人によっては恋愛や友情と言った出会いも大きなものになる。その選択肢のあみだくじの先に今があって、これから先の選択肢もまだ残っている。ほんの小さなことが大きな結果につながることもある、私の場合は高校生の時の事故がそうで、いつもいかない道を近道だと選択して事故にあった。でも、私の運転技術ではいつか大事故にあっただろう、もしかしたらあの事故を避けられても別の事故で死んでいたのではないかと思う。前にも書いたが私は会社に日比谷線で通っていたが、あの地下鉄サリンの日は偶然休みを取っていた。いつも乗っているまさにその電車のその車両にいた、しかも休みなんてほとんどとったことがない。こういうことがあって今につながっていると思うと先をあきらめることなんてできないね。生きてさえいればいいと思う。