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タイサンボクは散かない [詩(うた)]

都会では僕の大好きなタイサンボクの花は終わってしまった
白くて大きくて薫り高き花だけど大きさほどの派手さはなく
花は落ちてしまえば黒く汚れて見苦しい
そうだけれどタイサンボクの花は好きだったあの人ににていた
万緑の中に清々しいほどの白色が浮きたちその香りは心をくすぐった

故郷に帰ったある日
市立図書館の門の横にあったタイサンボクは切り倒されて
開きかけだった花は黒くしおれていた
せめて咲かせてあげればよかったのに
そう思ったときもう二度と咲くことのないあの人を思い出した
ただそれだけのことです
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