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母の誕生日 [心象のスケッチ]

今日は母の誕生日、母が亡くなってどれくらいになるだろう。墓参りもしばらく行っていない、不思議なもので母の思い出は年ごとに薄くなるのではなく、その声や笑顔がまるで昨日あったことのように思い出される。めんどくさがりの私はいろいろ細かいことを言われるとすぐ邪険に扱った。それでも母からの荷物には昔たった一度おいしいと言ったさんまの缶詰が必ず入っていた。私がたった一度言ったことでも母はよく覚えていた。それだけ私のことを気にかけてくれていた。小さくて少しポーっとしてでも頑張り屋でひょうきんで子供たちが大好きで一生懸命子育てをした。何にもしてあげられなかったけれど今ここに私が生きていることが精一杯の親孝行だと信じている。
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きらいだよあなたがいい人みただけど [詩(うた)]

このタイトル、知っている人は少ないでしょう、あんべ光俊さんのHeartの1フレーズです。こんな言葉が連なった歌です、私にはとても懐かしくて少し胸の痛む歌です。そこから紡ぎだすのは悔恨

離れる運命ならば出会えないほうがよかった
それでももう一度どこかでを望むのは
悲しいことだろうか
思い出を引きずるように歩く二人
いつもの交差点でさよならと
いつもと違う声でそれそれの道へ
信じあえた日々はもう来ない
そうだとしても振り返らずに前を向いて
そうわかっていても目が口元が悲しい
一度だけと振り返ると黄昏に消えて行くあなたが見えた
僕は走り出すこぼれそうな何かを空に投げつけて
さよなら


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昨日は人は変わりゆくものと書いたけれど [詩(うた)]

世の中に変わらぬものはないとそんなことをつぶやき
酒場の隅で目をつぶり燗酒をあおっている
誰と話すわけでなくただ苦い酒を流し込んでいる
故郷を離れて40年大学を卒業して35年友の便りも絶え果てた
けれども若かった日々を忘れていない
まるでアルバムをめくるように脳裏に浮かぶ
失敗ばかりの毎日や部活の練習日々
報われなかった恋のこと
本当は時の流れにも変わらない
あの日のスナップショットは心にクリップされている
思い出は変えられない

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人は変わりゆくもの [世捨て人]

結婚とは何だろう?それは儀式なのか、それとも法廷な届け出の一つなのか。事実婚とか別居とか形態はどうあれ好きか嫌いかというたった一つの感情が起こす一つの行動様式なのかもしれない。ただ、それには拘束力があるようでない。宗教で認められないとか倫理的にとかそれよりも感情が優先されるべきもの。浮気とか不倫とかそれも変化してゆく感情や時間の経過により仕方ないのだと思う。この世に変わらないものはない、私たちはみな自由な存在、もちろん感情がそうしろというのならのこと。また、後ろめたいとか怖いとかもまた感情でそちらが心で勝つようであれば止めたらいい。変わりゆくものを引き留めることはできない。ただし、恋を成就させるには合意が必要で自分の感情+相手の感情がシンクロしなければいけない。勝手な感情は慎みおくことは言うまでもない、勝手な意見ですけれど。

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境界線 [世捨て人]

せっかく伸ばした手が離れて行く
触れることすらできないで
肩が抜けるほど伸ばしたのに

私が知っているあの人は
静かに病院のベッドに横たわり
少し口を開きながら
うつろな目を開けていた

私は病室の壁にもたれて
じっと見つめていた
どれくらいの時間が残っているのだろう
恐る恐る伸ばした手
白くてか細い手を握り締めて
静かに顔を近づけた
苦しい息の中でこちらを見る悲しそうな目
私はぽろぽろ涙を流しながら
精一杯の魔法の言葉をささやいた

時間はそこで止まっている
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別れたのはわががままだから [弱音]

どうして僕のことがいいなんて言ったの
君はもっとたくさんの人に愛されていたのに
僕は確かにずっと君を見つめていたけれど
君からの視線は感じなかったのに
何をやってもダメな僕をいつも励ましてくれた
試合の時にはお弁当を作ってくれた
みんながどうしてお前なんかにと不思議がっていたけれど
僕にはそんな幸せが少し居心地が悪くて
自分に似合わないと思って
幸せを壊してみたくなっただけ

今でも雨の日にはあの橋のたもとで君が待っているようで
胸が痛くなる
泣きたくなる

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命の炎 [詩(うた)]

命の炎が揺らめいていた
勢いは確実に弱くなっていた
けれどもすぐに消えるわけではないだろう
もちろん勢いがあっても突如消えてしまう
あるいは消えかかってまた燃え上がる
そんなこともあるだろうが
ただその命の炎は弱弱しく青白く
病室の片隅で燃えていた
私がそこを離れれば消えてしまうと
そう思えてならなかった
何も言えず何も見ず
それでも確実に存在している命
やがては時間の壁を壊して
空間と同一化してゆく
私は祈るすべてを超えて平安の最終章を




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時の坂道 [心象のスケッチ]

今日という日が二度とこないのは宮沢賢治さんの銀河鉄道の夜のように
私の乗っている列車は決して後戻りはしないのだ
時の坂道は後戻りできないほど回転し捻じれている
それがわかっていても無為に過ごす時間のなんと長いことか
けれども本当に無為な時間かどうかはわからない
そこにパラメータや標準などないのだ
私は私が生きていくという単純な法則を使い
時間の坂を下っていくだけなのだ
その時点でもう死者と同一化している
怒るな嘆くな泣くな奢るな感情はもう
どす黒いのっぺりとした不定形の物体化している
この仮定された物体は私です
私でなければ私の想いです
素粒子さえ超えて
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野イチゴ [思い出]

朝露に靴を濡らしながら
野イチゴ摘みに出かけた
エノコログサの茎に積んだイチゴを刺して
それを何重にも重ねて持って歩いた
酸っぱい苗代イチゴは摘まず
野イチゴとモミジイチゴを摘んで回る
茎のとげであちこち傷だらけ
それでも山道を駆け回る
家に帰るとどんぶりに入れて
塩水を注ぐと虫やアリが浮いてくる
これを生で食べたりジャムにする
初夏の田舎の楽しみだった

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間違いだらけの生き方だが [詩(うた)]

何をやってもうまくいかない
選択したほうがいつも裏目に出る
そんなことばかり考えていた
だけどもし違う方法を選んでいたら
本当にうまくいっただろうか
根底あるのはどういう方法を選択したかではなく
私が選べばどちらも同じ結果ではなかったか
それは誰が実行したかということで方法論ではなかった
それは決して卑屈になっているのではなく
自分という人間の性格や癖を一番よく知る
私自身の存在が忘れられていたからだ
悲しむことはない悔いることもない
こうやって生きてきたんだから
うまくいかないように見えて致命傷は負っていない
いいんだこれで
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