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井伏のカエル [弱音]

教科書に井伏鱒二の詩が載っていた、井伏鱒二と言えば山椒魚も教科書に載っていたからこっちの方を覚えている人が多いと思う。だが、思い出に残っているのは「るりだの死」という詩だ。子供にたたきつけられて死んだるりだの口に菫の花を挿す。そんな詩だったと思う、井伏鱒二の作品に登場する蛙は本人自身だと言う、どこかいい加減ででもたくさん集まればうるさいほど騒ぎ立て、表情がないのに啼きわめき笑いそうな、善人のような実は小悪党のような蛙、それに対する作者の優しいまなざし。書評でもそんなことを書かれていたと思う。一方、山椒魚はどこか気怠い無常観を感じる、出られない自分と運命を共にさせようとする山椒魚。作者は無機物のような世の中の端っこにさえいるとは思われていない山椒魚に重大な問題を背負わせたのは何故だろう?それが井伏鱒二のユーモアなのか
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