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彼岸の頃 [思い出]

春のお彼岸の頃、家族で墓参りをしていた。丘の上の共同墓地に掃除道具とお供えを持って登った。そこは畑の端っこ、集落を見おろす、風が通り抜けて太陽の光を燦々とうける場所。そこへ着くとまずは草切と掃除、自分の縁者の墓だけでなく、守り手のいなくなった墓や古い無縁仏の草も刈ってあげる。そしてブラシで墓石を洗い花と供物を供えて線香をたいてお参りして帰る。祖母の作った牡丹餅を供えるのが常で帰ってから自分も頂いた。あれはもう40年も前のこと私の家では共同墓地を止め自宅の敷地に墓を建てた。共同墓地はどうなっているのだろうか、私もしばらく墓参りしていない。⑩数軒あった集落は今3軒のみになってしまった、やがて消え去る運命かもしれぬ。けれどあの日青空の下で見たのどかな故郷は今でも瞼の裏にある。
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