SSブログ

梅花の誓い [詩(うた)]

家を出た瞬間から
僕の身を包んだのは甘酸っぱい香り
早朝の凛とした空気の中で
僕は大きく息を吸い込んだ
あとどれくらいでこの町から消えてしまう
そればかり考えていた
家を出て何時もと同じ駅から
高校へ向かう上り列車ではなく
下り列車に乗る日が近ずいている

駅前の公園にある白梅が散る頃には一方通行の旅に出る
この香りのもう一つ持ち主とまた会う約束など守れない
勝手かもしれないけど故郷を捨てる勇気を忍ばせて

nice!(0)  コメント(0) 

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。