小春日の続く [旅]
小春日は続いたらもうそりゃ春だ、電車の窓から見える景色は菜の花と水仙。甘い香りが車内で弾けていた。反対側の窓からは覇気のない海がべったりべったりと寄せている。すれ違いのための停車するから小さな駅に降りて缶コーヒーを買った。どうも厳しさが足りない、どうも冬らしくない。別に春を探しに来た訳じゃない。どこもここもあくびだらけで心のトゲを尖らせてくれない。結局は終点まで来て、ローカル線に乗り換えて山に向かう。何を得る事もなく小さな城下町で降りて城跡で途中で買った大福を食べた。1日かけてそれだけのことだった。