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背中が泣いていた [世捨て人]

若くして夫をなくした人は気丈に喪主を務めていた
結婚してまだ数年こんな日を想像していたはずはない
誰もが言葉をなくし彼女を見つめていた
白木の棺の中のあいつは何も語らない
花の中に埋もれてわらいをうかべたまま
最後の別れの時棺を担いだ私たちに
お礼を言うその人は少し唇をかみしめて
ありがとうございますと言って後ろを向いた
その背中は震えていた
過ぎ去った日々と過ぎて欲しいこの時
何もかもが揺さぶり過ぎて
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