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正月準備 [思い出]

もう何十度も正月を迎えてきたな、同じことをやってきてたいしてめでたくもないのに気持ちを新たになんてやっている。無神論者に近いくせに初詣に行って世界から悲しみが少しでも減りますようになんて祈っている。自分のことをあまり祈る気になれないのは恵まれているということなのだろうか?ついてないと悔やむことがないわけじゃないし、ああすればよばかった、こうすればよかったなんてことだってある。ただ、自分なんかに法外な幸福なんて必要はない、世の中にあんまり役には立っていない。けれど、どこかの歯車として何かを回すことの一部を形成しているかもしれない。だから、不必要ではないと思おうとしている。といろいろ言っているとケルヒャーを足元に出されてバルコニーと窓掃除の時間が来たようだ。それでも田舎に比べれば正月の準備も楽なもんだ。大掃除では竈と風呂の煙突を篠竹で掃除する。畳をあげて埃を叩きだす。障子を庭に出して張替えを行う。餅つきも昔はもち米を水につけて野外のかまどで蒸籠で蒸かし、臼に入れて杵でよくこねてからついた。それをとり粉を引いた”もろぶたに”広げて丸めて餅にした。餡入り、御鏡、丸餅、切り餅(豆いり、青のり入りなど)を作った。水神、火の神、ご先祖様に山でとってきた榊と裏白を備え、鏡餅とミカンを備えた。そして山から松と竹を切り出して庭の梅と一緒に松飾を作った。すべてが自分たちでやっていたな、本当に正月を迎える気分になったもんだった。今では田舎でもそんな家ももうないだろう。




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