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幻想夜行の最期 [心象のスケッチ]

こんな夜に夜行列車で遠くに行く夢を見た
夜行列車などもう存在しないはずなのに
たった一人で僕は硬い椅子に座っている
それはかつて何度も乗った妙高だった
ぼんやりと雪の降る街を見つめ
停車駅で買った温かいコーヒーをすする
やがて直江津の駅来ると方向が変わり
右側には海があるはずだ
糸魚川でおりて明けようとする鉛色の空の下
新雪を踏みしめながら海へ向かう
ほとばしる波頭の唸りを聞きながら
何かを捨てるために
戻らないものを愛するが故
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