父母忌 [思い出]
もう桜はすっかり散ってしまったが、4月の始めは両親供の銘にだった。自分もなんだか腕の色が妙に茶色になってきた、反対側はやたら黄色い。黄疸?なんてことはない、ちゃんと白目は白いし爪の下も抑えても黄色くならない。おふくろが大腸がんであちこちに転移したころはもう全身黄色だった。それに気が付いてやれなかった自分が悲しい、骨や肺や脳や肝臓まで転移していて気が付いたときにはもう声も出ないような症状だった。2年ほど里帰りをしなかったが返す返す残念だ。よく電話をかけてきたり物を送って来たりしてくれたが適当にお礼を言ってあまり話もしなかった。本当に親不孝な息子だったと思う、父親の時にはちょくちょく帰って顔を見せていたがやはり2年ほどあいたときに膀胱がんが見つかった。90歳を超えていたので手術は出来なかったが2年ほど頑張った。今でも夫婦そろって夢に出る、笑うか怒るかどちらかだったが、今となっては遥かな夢だ。昔を思うような年齢に自分もなったな、春の陽光ののどかな中に花散るを見ればはるか昔を思い出す。