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怖かった話 [思い出]

あれは中学校くらいだっただろうか、部活ですっかり遅くなって自転車で家に急いでいた。田圃の横の道路を懸命に漕いでいくと目の前を黄色い光がふわふわ飛んでいる。これはヘイケボタルだから慣れている。そして踏切の横を過ぎるとカタンと音がして信号が青に変わる、これもいつもと変わったことはない。そして列車が走ってきて汽笛を一つ響かせて駅の方へ滑り込む、これもいつものこと。そして、遮断機が上がり後ろから車が来た、とその時踏切内に白い人影があった。反対側の遮断機は上がっていたが、列車の来る前は無人だった。いつの間にと思いながらすれ違ったとき、腰を抜かさんばかりに驚いた。すれ違ったのはうつろな顔をした叔母だった。私が驚いたのは叔母は昨年亡くなっていたからだ。しかも、この踏切で事故にあい・・・、狂ったように自転車者をこいだ、振り向いた時にはシグナルの赤い光と踏切の明かりだけだった。家に帰った時には全身汗びっしょりでその日から二日ほど熱で学校を休んだ。何かの未練があったのかそれはわからない、ただ、今でも汗が出るほど怖かった。
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