SSブログ

想い出がたり [思い出]

秋の日が誰彼となく影法師にしていく頃、部活を終えて家路を急ぐ自転車の二人。急な坂道を諦めて自転車を押しながら、たわいもない会話が続いて、お互いに本当は違う事が切り出せない。ずっとこんな日が続いてもう、一緒にいるのは半年を切った。僕は秋の寂しげな風の中に短い言葉を隠した、君は今なんて言ったと聞き返した。何でもないと答えた僕は空を見ながらため息をついた。たった一度の臆病な勇気、どうして素直に言えないんだろう。だけどこの想い出がずっと後悔として心にあったから、後悔をしないために心が痛いほど好きならば、ちゃんと自分で言おうと決めた。勇気は背中を押してくれるものではなく、内側から突き動かすもの、だと思う。
nice!(0)  コメント(0) 

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。