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終わらない寂寥 [心象のスケッチ]

まだ秋も浅く夏の名残もセミの声が弱々しくはない。それでも夕暮れには虫の音が勝りつつある。私はもう何もない空蝉の日々に終りを告げて、さようならの準備をしている。こころにかかる影はもう光を押し出して多い尽くそうとしている。このあとから何が始まるのか、それとも終わるのか、かき混ぜられた混沌は滲んだミルクのようだ。いつとも晴れる事ない海路のように私は何も見えない。何処にもたどり着けないこの旅は突き放された生命の涙。ああこの歯がゆさよ私の孤独の成れの果て。
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