少し寂しげな街を抜け出して

薄い財布と汚いリュック一つ
郊外のマンションから逃げ出すように
始発電車に飛び乗った
明けようとする東の空に
まるで稲妻のようなかぎろひが走る
誰もいないホームで昨日の涙を乾かしている
自分のせいじゃない
わかっていても自分を責めずにいられない
そういう性格だから逃げ出したい
私の行く先にもきっと涙があふれている
それでもどこかへ行きたい
心は変わらないとしても

ユニフォーム

昔の野球のユニフォーム姿の写真が出てきた。今とのあまりの違いに愕然とする、ピッチングフォームの写真も出てきた。本当に笑えるくらい細い、顔が小さい、今では絶対にできないアンダースローのフォーム、しかも山田久志のような本物のサブマリン。といっても肘から先だけで投げるからスピードもなければホップもしない。シュートとスライダー、シンカーしか投げられない。卓球のユニホーム姿もある、足が、み、短い、それに足だけ筋肉すごい、太腿とふくらはぎがまるで鶏もも肉のようだ、でも上半身があまりにも貧弱。どちらにせよ、これがこうなる（現在）とは誰も思うまい、同窓会で誰にも気づかれない。つらいなあ、かっこよくなればよかったのに。