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美しい幻 [詩(うた)]

帰り道いつものように坂道を登っていた
下を向いてつまらないことに考えを巡らせながら
喘ぐように坂道を上る
秋の陽はもう紅く沈みかけて
まだ青い栗の実を照らしている
僕が目を上げた時
知らない人が降りてきた
長い髪が光に輝き
透き通った目が笑っていた
終末期のまるでアポロン
僕が見た最高神
立ち止まって見つめているしかない
神は僕の横を通り抜けて行った
すこし木犀の香りがした
たった一度の幻
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