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ぼくだけが感じること [思い出]

最後のあの日にありがとうって言ったのに
またきっと会えるねって約束したのに
君は遠くへ行ってしまった
地球の裏側だってどこだってつながっているのに
翠の風が吹くころにあの空に向かって透明になった
時がどれくらい流れても僕にはわかる
光の朝には小鳥のさえずり
星の夜には風のささやき
雨の午後には雨だれの響き
僕だけが感じている
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在宅勤務 [世捨て人]

在宅勤務は決して好きではない、だけど率先が必要dからずっと出ているのは良くない。同じところにずっといると病気で休職して家に閉じこもりっきりのことを思い出す。2年近くそんなことしていた、仕事に戻れるかやれるか不安だった。とりあえず今のところなんとか普通のことはできているが、パフォーマンスは相当低い。医者も、もうもどることを考えずに6割程度のパフォーマンスでいいと思いなさいと言っている。でも、そう簡単に割り切れないのが人間、別に成績を上げようとか地位を上げようなんて、そんなしょうもない事は考えていない。tだ、自分が許せる範囲の自分でいたい、それだけ。
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誰だって明日なんてわからない [心象のスケッチ]

今日のことは今日の風に聞け
明日のことは闇でいい
計画通りに運ぶ生き方なんて私にはできない
都合よく考えるなんてできない
悲観論者じゃない
人が信じられないわけでもない
どちらかといえば自分が一番信じられない
だから先のことはわからない
永遠なんて誓えない
時に流れるままに生きてゆく
生々流転それだけのことさ
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携帯による拘束 [旅]

まだ眠っている郊外の町を抜け出して
背負ったリュックにはわずかな荷物
あえて携帯は持たずに旅に出る
どんな場面でもきっと携帯を探す自分がいる
そんなことわかりきっている
便利だということがいつの間にか
携帯に使われていることを忘れせられる
始発列車の窓を見つめながら
いつもの車窓をずっと見ていなかったことに気が付いた
ターミナルで北へ乗り継ぐと
昔何度も通った場所なのになにか新しい
たった一つの携帯電話に何もかも奪われていた
そんなこともずっと気づかずに
目的地なんてない
携帯のない日と言う記念日がそのすべて

ただこの旅が終わればまた携帯に拘束されるのだろう
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夏至の頃 [詩(うた)]

個人的にはつるべ落としの秋の陽が好きだが、遅い時間でもまだ日の残るこの時期も嫌いではない。生まれ育った九州ではかなり遅くまで明るく7時ごろに平気で遊んでいた。山の奥まで遊びに行って気が付いたら8時なんてこともあって親が探しに来たこともある。まだほんとうに暑くなっていない季節、梅雨の影響があってまだウキウキはしないが、何となく夏を予感させる。こんな時晴れたらバイクが気持ちがいい、服を通る風も目に映る青葉も明るい季節の入り口を感じさせる。恋人がそばにいたらもう、それはできすぎ。
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誰にでも恋をして [詩(うた)]

昔の僕はすぐ人を好きになった
小学校のとき転校生が来たらすぐに好きになった
修学旅行でバスが隣の席になった子も
その日のうちに好きになった
大ケガで入院した時に
最初に担当してくれた看護学生
次の担当してくれた人も
一つ年上の入院患者の子も
だけど好きになるだけでそれからはない
おしゃべりなのに好きだとは言えない
普通の時間が壊れそうで言えない
弱虫の心だけどそんなにたくさん好きだなんて
心が無いようで誠実じゃないようで
言っちゃだめだと決めていた
そのほうがいいと今も思っている


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走れ跳べ! [弱音]

何かが頭が煮詰まって湯気が出そうな時がある
体調も悪くてあくびばかりが出るときにゃ
いっちょブレイク外へ出て
公園のベンチにダイブする
つまんない人間がつまんないことを考えても
ろくな考えは出てこない
公園の猫にでも挨拶すればいい
コスモスを手に取って俺の宇宙はこれより小さい
それでも生きていかなきゃ
走れ跳べまた明日か来る限り
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僕がいたころに [詩(うた)]

あの人は何も知らないで
きれいな横顔をこちらに向けながら
風に髪を揺らして歩いていた
僕は何も言えずにじっと見つめていた
少し泣きそうになりながら

どうしてそんなに美しいの
誰があなたをこの世界に連れてきたの
せめてその瞳を僕に見せて
それだけでもう今日が幸せ
誰にも気づかれない
誰もうわさにもしない
僕が見る世界では
あなただけ鮮やかにくっきりと際立っている
そばにいたことさえ気づかれない
透明な風のようにすれ違っただけ
それでもよかった
それでよかった

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暗黒な私 [詩(うた)]

私はすべてを包みそうなくらいの大きなやさしさと
すべての善を葬り去りたいと思うような
危険な暗黒を胸にもって生きている
私の暗黒は憎しみや恨みや妬みではなく
私の生命の根源からのものです
でもいわゆる単純なサイコパスではありません
だから人の死を笑ったり喜んだりましません
それでもやはり暗黒の妄想地帯で生きています
闇を纏い地を這いながら

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笹舟浮かべて [思い出]

家の近所の小川に笹舟を浮かべて
ずっとずっと追いかけていた
そしてよどんだ淵に来ると
石を投げて笹舟を沈めた
まるで自分の何もない日常を
暗い淵の底に叩き落すように
そんなことを日柄一日にやっていた

私は残酷さを持つ子供だった
もしかしたらいまでもそう
かもしれないね

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