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氷の翼 [詩(うた)]

広い大空を青い海原を超えて
どこへだって飛んでゆけるはず
だけど僕の羽は重く冷たい
子供のころ見上げた青い空
柔らかな川の流れ
風の匂いも花の色も
何も変わっていないのに
僕は飛び立てない
俯いて影を見たら
翼が陽炎のように薄れてゆき
やがて消えていった
そして僕の影もゆらゆら立ち上り消えていった
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僕は愛を語れない [世捨て人]

僕は恋が成就すると壊します
幸せというものに慣れていない
悲しみというものに引き寄せられ
いつしか首まで浸かって
呼吸困難になり心の糸を切ってしまいます
幸せの似合わない人間だと思っています
そんな僕のおかげで傷ついた人がいます
その人たちの心ではよい思い出になれません
実は僕自身もひどく傷ついています
けれども人に与えた傷のほうが
さらに鋭い切っ先で僕を襲います
刺され切り刻まれ哀れな様相で許しを請います
だから僕には愛なんて語れない
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春が早くなっている [旅]

冬にドカ雪が降ってもなんだか春の訪れが早い気がする。山に行けば雪が多かったりしてわからないが平地ではフキノトウや土筆が顔を出すのが2月になっている。桜はもちろんコブシだってリョウブや蝋梅なんかも早くなっている。だからGW明けに山に登るとふもとから春が登っていくさまが感じられたのに低山ではあっという間に春が頂上まで駆け上る。そして、昔はちょうどいいか少し寒いくらいの風が気持ちよかったのに汗だくになった。カタクリやイカリソウの花を見ようとしたのに花の盛りは過ぎていた。なんてことがしょっちゅう、年を取ったせいなのか、ただ単に圧借りになったのか。面白い話だが暖冬で対馬海流が暖かいほど日本海側の雪はたくさん降る、しかも水気たっぷりの重いやつか。5月はもう初夏かといったほうがいいのかもしれないな。
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五月のロンド [詩(うた)]

私は5月の空の青さに涙している
そよ風が涙を乾かしていく
雲も木々も木漏れ日も
私の周りで輪になって
ゆっくりゆっくり踊っている
こんなにやわらかな今日だから
私は目を瞑り遠い昔にかけていこう
それが美しいか楽しいか
もしや辛かろうが悲しかろうが
すべての心を置き去りにして

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いつからか僕は [詩(うた)]

僕がこんなに希望をなくしたのはいつからだろう
誰かに無理やり何かをさせられたことはない
目標なんてそんな明確なものも持ったことはない
それでもどこかで希望をもって生きてきた
それは自分の栄耀栄華とか
何か新しいことを発見するとか
素晴らしいものを発明するとか
そんなものじゃなくて
私にかかわる人たちに温もりを伝え
笑顔を絶やさないことだった

そんな身の程知らずの願いを希望として
ずっと生きてきたはずなのに
今は茫漠たる荒野に独り
巨大なアリ地獄の中を這っている
ここから抜け出せばまた新しい希望があるのか
僕はそうは思わない
それでも今日も精一杯もがき続ける
まるでそれが希望とでも言うように
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江戸っ子のように [世捨て人]

江戸っ子のように生きたいね
世の中そうじゃない人がいるから言いたいよ

こんな人ばかりじゃつまんない
人間は全て悪だから信用できないと言うばかり
誰だって人間は自分の欲望のために生きている
みんな損になることなんてしやしない

そんなことはないよ
銭金や地位や名誉なんて価値を見いだせない
自分損得計算なんてめんどくさい
やせ我慢でもいいじゃないか
そんな江戸っ子のように生きる
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死刑囚の気持ち [心象のスケッチ]

どうしても悲しみを超えられない
何かをなくしたわけじゃない
突き放されたわけでもない
私が私の存在を許してくれないだけ
誰だって完璧じゃない
他人は許せても自分が許せないことは
ままありがちなことです
それでもこの世の片隅にも置いてくれないほど
空気さえ呼吸をしてはいけないほど
そんなに自分に嫌われるなんて

私は許されるまで泣いています
何の許しを乞うていることさえ理解せず

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川は呼んでる [思い出]

この季節は青葉滴る道を体中にみどりの風を浴びながら自転車で遠くまで行った。バイクも気持ちがいいけれど汗をかいて坂道を上りてっぺんから一気に駆け降りるのがいい。渓流の岸まで下りる道は木々に囲まれてトンネルのようになっていてそこを足を広げてブレーキもかけずに降りてゆく。そして渓流にかかる古い石橋の上から青く澄んだ川を覗くと水面にくっきりと雲が浮かび、影のところでは深い底まで見通せた。そこから河原に下りてきれいな水で顔を洗って大きな石の上で寝転ぶ。これが本当に生き返るようないい気分。家から釣り道具をもって釣りをしたり、小さなころは笹舟を作って流したり蓮華の花や藤の花をばらまいたりした。淵になっているところで花が集まったり離れたりしているのをぼんやりと見つめていた。その川も石橋もは奇跡的に残っている、ただ橋は通行禁止になってしまったが。

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橘薫る [思い出]

今日は子供の日です、私に子供はいません。ある病気のためにできないのですがそんなのは関係ありません。さてこいのぼりの季節です、時々私が使う浅草橋の駅界隈には人形屋が多く、ひな人形や武者人形を売っています。こいのぼりも売っていますがあまり宣伝はしていません。そういえば、こいのぼりという歌を知っていますか?屋根より高い~のほうです。もう一つは鯉のぼりで甍の波と雲の波~のほうです。小学校では前者が低学年の音楽の教科書、後者が高学年だった気がします、こちらは歌詞も文語調です。どちらが好きかと言われれば鯉のぼりです。なぜか、それはこの一節だけです、’橘薫る朝風に’本当にミカン(厳密言えばミカンと橘は違いますが)の香りがしてきそうですし爽やかな5月という感じがするのです。そしてそれは私が子供のころ潮干狩りに親戚の海の家に遊びに行って、翌朝海岸を散歩したときに朝風の中に感じた香りを思い出すからです。柑橘類の花はどれも小さいのですが嗅ぐといい香りがします、からたちなんて特にそうです。いまでもまた海辺の段々畑に行けばあの香りに包まれるのでしょうか。
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旅の記憶(宮島) [旅]

昔、このころ安芸の宮島に行って大きなお堂の板の間に寝っ転がってうとうとした記憶がある。あれはどこだったのだろう、歩いて弥山に登って頂上まで行き、少し戻ってロープウェイで降りたと思う。弥山は岩山だから頂上には古代の磐座がありそれが信仰の発祥なんだろうと思う。意味の進行は後からじゃないのかな。20年以上前の話だから記憶もおぼろだ、なぜか二つの記憶がごちゃ混ぜになっている。一人で行った時(おそらく2,3回)と友人ら6人で行ったときの記憶が、これも老化のせいか?宮島はそれ以外にも夫婦で行ったりもしているし最低でも5回は行っている。国鉄の宮島航路時代から広電で市内から行ったり、市内から直接船で行ったこともある。そしてほぼすべての回でアナゴ飯を食っている。もちろん厳島神社も行っている、有名な毛利元就と陶晴賢の決戦の地だし平清盛ゆかりの地でもある、平家納経は一級美術品と思う。でも、瀬戸内ののどかな光と風を受けて昼寝したことが一番の旅の記憶。
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