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最終景 [詩(うた)]

チャイムが鳴ると会社をそそくさと出て
見慣れた街を行き過ぎる
冷たい公園のベンチに座り
暮れて行く街を眺めている
ビルの明かり一つ一つ
沢山の私が張り付いている
公園から細い路地を抜け大通りに出れば
プラタナスが風に泣いている
地下鉄の入り口で見上げた空には
爪のような細い月がかかっている
ため息一つついて階段を駆け下りる
もう時間がない
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