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眠れない夜に [詩(うた)]

風もないむし暑い夜
蚊帳を吊って窓を開けていた
蚊取り線香の火が赤く空の群青に対峙していた
僕はたった一人で実家にいた
虫の声しか聞こえない
どこを見ても灯りのない
父も母も母屋に行ったまま
中学生の僕は猫と二人きり
猫に話しかけたら何かフニャフニャ言うだけ
今日は根子岳参りには行かないか
と話しかけたら猫の目が宙を飛んだ
青い光がゆらゆらと飛んで行った
祖父は亡くなったと思った
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