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今年ばかりの秋の空か [弱音]

別にすぐ死ぬわけでは無い、そうおもいつつ子規ののはるのうたを思う。
いちはつの花咲きいでて我が目には今年ばかりの春行かんとす
昔はどんな事故に会おうとどんな病気を得ようと死ぬとは思わなかった。ところがどうだ、友人が鬼籍に入るものが増え、先輩たちが少なくなって行く。そして、自分の衰えを自覚するようになると、もうだめだ、すぐにでもどっかへ行っちまうような気持ちに襲われる。無駄に命を縮めて来ただけの若い頃、それはそれでいいと思っていた。子供もいないからどうだって後のことはいいと思っていた。だが、子はいなくとも夫婦は老いて行く。ともにいる時間を大切にして、いつだって今年ばかりの季節になるかもしれない、。
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