私が私である所以のものは

うかうかしている間にどんどん時は過ぎて髪は白く薄くなり顔は皺だらけになった。それでも心だけは老いることなく何かを感じようと空を飛ぶ。あの鳥のようにあの雲のように鋭く柔らかく飛んでいきたいな。この胸にある想いは子供の頃から変わらない、この世から少しでも悲しみが消え去るように、みんなの命が大切にされるように。この世の闇を優しさの暖かくて柔らかい光で覆いたい。誰に言われたわけじゃない、誰に教えられたわけじゃない、生まれつき持っていた心。何があっても私の心の中に金剛石の柱のように聳え立ち何物にも削られない、何物にも折れない。私が私である所以のものは仁愛と惻隠です、恥ずかしげもなく言うけれどここだけは譲れない。